検査歴5年。工場で検査をする上で最も重視すべきは、工程内の雰囲気づくりだ

不良品の流出を防ぐ最後の砦となる、検査員。常にクレームの恐怖にさらされ続ける、検査員。

そんな工程のゴールキーパーたる工程検査員を担当する上で、日頃から心がけていることをメモ代わりに残しておきたい。5年もやっていれば、それなりに思うところがあるものである。

品質や安全はもちろんのことだが、それらはできて当たり前。私が最も重視しているのは「工程内の雰囲気」だ。

殺伐とした工程は必要ない

  • 朝から晩まで何も言葉を交わさない
  • 前工程が後工程を煽る。後工程が前工程を急かす
  • 検査員が前工程のミスを厳しく攻め立てる
  • 前工程が検査員の良品・不良品の判定に不服を唱える

こうした殺伐とした雰囲気で生産が行われている工程も多い。ただでさえ朝から晩まで、耐えず体を動かし続けなくてはならない辛い仕事なのに、わざわざ「働いていて楽しくない工程」にする必要なぞありはしない。どうして苦痛の種を作ろうとするのか。そんな工程は必要ない。

雰囲気の良い工程づくりのために

どうせ肉体的に同じ作業をしなくてはならないのなら、精神的な負荷は軽いほうがいい。そうした思いから、私が担当する工程では「いかに気持ちよく生産できるか」という点に留意している。

とはいえ、特に難しいことをしているわけではない。

  • すべての情報をすべての作業者で共有する
  • 前工程のミスを責め立てない
  • ミスの前兆に気づいたらやんわりと指摘する
  • 無理な速さで作業をさせない
  • 休憩時間はきっちり取れるように作業を止める
  • 終業時間に余裕を持って間に合うように作業を止める
  • ときおり冗談を言う
  • 出荷数と生産数の照合は検査員の仕事。数が合わないからと言って前工程にあたらない
  • 万が一不良品を見逃したとしても、絶対に前工程のせいにしない

といったところか。自分としてはごく当たり前のことをしているつもりなのだが、その当たり前ができない検査員が多いのが残念だ。検査員は前工程の作業者がいればこそ。一人だけでは何もできないのだから、決して思い上がるようなことがあってはならない。

「アイツとは組みたくない」と言われるような検査員には、なりたくないものである。

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